江戸園芸花尽し
特別展
2009年10月1日(木)~11月26日(木)
前期:2009年10月1日(木)~10月25日(日)
後期:2009年11月1日(日)~11月26日(木)
※前後期で展示替え
後期:2009年11月1日(日)~11月26日(木)
※前後期で展示替え
10月5・13・19・26~31日/11月2・9・16・24日は休館となります。
※10・11月展示、図録『江戸園芸花尽し』はご好評につき完売致しました。
はじめに
万葉の昔から四季の移ろいを愛で、野に遊び花を詠んだ私たち日本人。花は人々の糧となって暮らしにとけこみ、底流として息づいてきました。そして、平和の続いた江戸時代。この流れは大きなうねりとなり、公家や将軍、大名、そして庶民たちまで身分を越えた「園芸文化」として頂点を極めたのです。本展は、幕末に来日した外国人にも賞賛された江戸園芸文化を、庶民に愛された浮世絵から探る初めての試みです。四季折々の“花咲く浮世絵”を通して、世界でも類の見ない「園芸文化」をご堪能下さい。
1.世界が驚嘆する江戸の園芸文化
花や緑の栽培、あるいはガーデニングといったものに興味を持たれている方は多いことでしょう。しかし、はるか昔の江戸時代、現代のガーデニングブーム以上に、園芸ブームというものがあったことはご存知でしょうか?将軍や大名たちといった身分の高い武士たちはもちろんのこと、下町で暮らすごくごく普通の庶民たちまで、花や緑を熱心に栽培し、鑑賞していたのです。その日本人の花に対する情熱は、幕末に日本を訪れた植物学者、ロバート・フォーチュンが、驚きをもって日記に書きとめるほどでした。
2.浮世絵から江戸の園芸文化を探る初の試み
江戸の園芸文化については、歴史学、民俗学、植物学など、さまざまな見地から研究され、その全貌が少しずつ明らかになってきています。しかしながら、江戸の庶民たちが親しんでいた「浮世絵」という視点からは、まだ十分には考察されてはいません。本展覧会は、浮世絵という絵画作品を中心にして、江戸の園芸文化の豊かさを探ろうとする初の試みです。3.売る、買う、飾る―暮らしの中の園芸
花や緑にあふれた生活を送る江戸っ子たち。縁日の夜店に行って鉢植えを買ったり、大事に育てては部屋や庭に飾ったり。なかには本業を忘れて、熱心に栽培に取り組むような人たちも大勢いました。娯楽であり、癒しでもある園芸を楽しむ江戸っ子たちの姿を、浮世絵を通してご覧ください。4.江戸の植木鉢の魅力
江戸時代、大輪の花を咲かせた陶磁器の文化は、素晴らしい植木鉢も生み出し、園芸文化の一翼を担うこととなりました。本展では、幕末に制作された意匠をこらした貴重な鉢を、鉢を描いた浮世絵とともにご紹介いたします。鉢と浮世絵を比べてみることで、江戸時代の園芸が一層身近に感じられることでしょう。入館料
一般 | 1000円 |
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大高生 | 700円 |
小中生 | 400円 |
展覧会の概要(予定)
序章 花を着る | 花柄の着物に身を包む女性たち |
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1.暮らしのなかの園芸 | 園芸に親しむ江戸っ子たち |
2.百花繚乱 | 浮世絵に描かれたさまざまな園芸植物 |
3.人気キャラクター | 歌舞伎の役柄として登場する植木売り |
4.鉢植えにまつわる物語 | 謡曲「鉢の木」を題材にした浮世絵 |
5.紀州徳川家の園芸趣味 | 徳川家でも愛好された園芸文化 |
6.子どもたちの園芸知識 | 子供向けに描かれたおもちゃ絵 |
7.花と緑の江戸の町 | 四季折々の花が咲く江戸の観光名所 |