江戸時代を旅してみよう

歌川広重「六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波」
企画展
2009年7月1日(水)~8月26日(水)
前期:2009年7月1日(水)~7月26日(日)
後期:2009年8月1日(土)~8月26日(水)
※前後期で展示替えあり。

7月6・13・21・27~31日/8月3・10・17・24日は休館となります。

※この展示の図録は作成致しません。

はじめに

江戸時代後半、旅をすることが庶民の間で広く行われるようになります。伊勢神宮へのお参りなどを最終の目的として、人々は街道を歩き、行く先々で名所へ立ち寄り、旅を楽しみました。浮世絵には、当時の最新の世相が反映されます。葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳、溪斎英泉といった多くの絵師たちが、江戸や全国の名所、街道の様子、そして旅人たちの姿を数多く描いたのです。今回の展示は、浮世絵に描かれたさまざまな名所を見ながら、江戸時代にタイムスリップして当時の旅人たちの気分を味わってみようというテーマで開催いたします。まず、ウォーミングアップで江戸の町を散策。次に江戸を飛び出し、街道を旅して各地の名所を巡ります。浮世絵に描かれた名所の中には、現在でも変わらずに多くの人が訪れる場所もたくさんあります。作品を見ながら、自分が訪れたことのある場所を探してみるのも興味深いでしょう。浮世絵を見るのがはじめてという方や、小中学生の皆さんにも気楽に楽しんでいただける展覧会となっております。ぜひご家族で、浮世絵に描かれた色鮮やかな世界をお楽しみください。

1.江戸時代へタイムスリップ!-江戸の町を散策しよう-

江戸時代へのタイムスリップの旅は、現在の東京にあたる、江戸の町からスタートします。全国の名所を訪れる前に、まず江戸の町をぶらりと散策してみましょう。江戸を描いた浮世絵の中には、皆さんが目にしたことのある風景が含まれているかもしれません。たとえば広重が「名所江戸百景」で描いた浅草寺の様子は、今でも有名な雷門から境内を眺めた図。現在の建物はのちに再建されたものですが、絵から当時の光景を容易に想像することができるでしょう。皆さんの知っている場所が、江戸時代の浮世絵の中にどのように描かれているのか、そして今とどこが違っているのか、じっくり鑑賞してみてください。
歌川広重「名所江戸百景 浅草金龍山」

     歌川広重「名所江戸百景 浅草金龍山」

歌川国芳「東都名所 両国柳ばし」

歌川国芳「東都名所 両国柳ばし」

2.さあ出発!街道を旅してみよう -東海道と中山道-

江戸時代の人々は伊勢神宮や金毘羅宮などにお参りすることを目的として、さかんに旅をしました。しかし、旅はお金もかかり、移動も徒歩で行うため、今ほど安易なものではありませんでした。それでも人々はお金を出し合い、くじ引きで代表者を決め、交代で旅に出るなどの工夫をしたようです。当時の旅人たちが伊勢神宮などへ行くのに用いた道が東海道で、帰り道としては中山道がしばしば使われました。街道と宿場町の様子は、歌川広重や溪斎英泉といった浮世絵師がいきいきと作品に描いています。浮世絵を見ながら、両街道のはじまりである日本橋を出発し、江戸の町を離れ、長い徒歩の旅の雰囲気をお楽しみ下さい。
歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋」

歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋」

溪斎英泉「木曽海道六拾九次之内 板鼻」

溪斎英泉「木曽海道六拾九次之内 板鼻」

3.全国の名所を巡ろう -名山・寺社・川と橋など-

浮世絵には、全国に散らばる名所が数多く描かれています。当時の庶民にとって、旅は一生のうちに何度もできるというものではありませんでした。多くの人たちは浮世絵を見て、まだ訪れたことのない名所の光景に思いを馳せたことでしょう。富士山をはじめとする各地の名山、琵琶湖のほとりにある八つの名所―近江八景、厳島神社などの有名な神社やお寺、鳴門海峡の渦潮といった自然現象、錦帯橋に代表される各地の有名な橋など、浮世絵に描かれたさまざまな景勝地の中には、現在でも観光名所として親しまれているところが少なくありません。街道から一歩足をのばし、当時の旅人の気分になってさまざまな名所の様子をご覧ください。
葛飾北斎「諸国名橋奇覧 すほうの国 きんたいはし」

葛飾北斎「諸国名橋奇覧 すほうの国 きんたいはし」

歌川広重「六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波」

     歌川広重「六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波」

4.浮世絵初心者や小中学生の方へ -浮世絵入門コーナー-

浮世絵って何?どんな種類があるの?どんな風に発展したの?名前はよく耳にする浮世絵ですが、実際どんなものなのか知らない方もいらっしゃることと思います。本展示ではさまざまな浮世絵の種類や、その長い歴史などを、作品を展示しながらわかりやすく解説した浮世絵入門コーナーを併設します。ぜひ親子そろってご鑑賞いただき、浮世絵の楽しさや奥深さに触れてみてください。
入館料
一般700円
大高生500円
中学生以下200円
イベント
7月の土曜講座・日曜映写会は開催予定です。 8月は夏期文化講座(有料)を開催致します。
開館日カレンダー
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