日独交流150周年記念 ハンブルク浮世絵コレクション展 -ハンブルク美術工芸博物館の浮世絵を初公開-
特別展
2010年10月1日(金)~11月28日(日)
1期:2010年10月1日(金)~10月17日(日)
2期:2010年10月19日(火)~11月7日(日)
3期:2010年11月9日(火)~11月28日(日)
※各会期ごとに、作品はほぼ入れ替えとなります。
2期:2010年10月19日(火)~11月7日(日)
3期:2010年11月9日(火)~11月28日(日)
※各会期ごとに、作品はほぼ入れ替えとなります。
10月4・12・18・25日/11月1・8・15・22日は休館となります。
主催:太田記念美術館、ハンブルク美術工芸博物館、
日本経済新聞社
後援:ドイツ連邦共和国大使館
ハンブルク浮世絵コレクション展作品リスト [3,218KB]
はじめに
今年は、日独交流150周年の記念の年です。ドイツと日本は、1860年にプロイセンの東アジア遠征団が江戸沖に来航して以来、長きにわたって交流を重ねてきました。この日独交流150周年を記念し、ドイツ第二の都市ハンブルクから、世界的な浮世絵コレクションが里帰りいたします。 1877年に開館したハンブルク美術工芸博物館は、ドイツでも有数の博物館として知られています。同館の収蔵品は約100万点を数え、ヨーロッパやアジアなど広範な地域や時代を網羅するコレクションには、数多くの浮世絵も含まれています。さらに近年、ハンブルク在住のコレクター、故ゲルハルト・シャック氏の浮世絵コレクションが氏の遺言によって同館に遺贈されました。シャック氏は代々の資産家で、ほとんど自宅から出ることなく生涯を浮世絵収集と研究にささげ、膨大なコレクションを築きあげた人物です。シャック氏の存在はこれまであまり知られていませんでしたが、今回の調査で有名絵師の作品はもちろん、数多くの摺物や、画稿、版下などの幅広い資料を含む、きわめて魅力的なコレクションの全貌が明らかとなったのです。
本展では、実に5000点を超える同館所蔵の浮世絵の中から、そのほとんどが初公開となる約200点を選りすぐって展観いたします。春信・歌麿・写楽・北斎・広重といった人気絵師たちの作品がたっぷり楽しめるのはもちろんのこと、中でも注目されるのは美しい彫・摺がほどこされた稀少な摺物の数々。そして校合摺、版下絵、画稿、版木といった、浮世絵制作の様子を現代に伝える珍しい資料を含め、バラエティに富んだ作品が一堂に勢ぞろいします。本展覧会は名品を楽しむだけでなく、浮世絵をもっともっと深く知ることのできる絶好の機会といえるでしょう。
世界有数の浮世絵コレクションが里帰り
ハンブルク美術工芸博物館のコレクションのうち日本美術は約1万点を数え、うち2000点が浮世絵作品となっています。同館での浮世絵収集が開始されたのは開館当初からとされ、パリの美術商であるジークフリート・ビング(1838~1905、ハンブルク出身)や、林忠正(1853~1906)らの大きな関与があったと考えられています。近年、故ゲルハルト・シャック氏(1929~2007)から遺贈された作品は版画約2000点、掛幅40点、スケッチ類1600点、版本300点などに及ぶ質量ともに素晴らしいものです。この遺贈によりハンブルク美術工芸博物館の浮世絵作品は全体で5000点を超え、世界でも有数のコレクションとしてますます充実した内容を備えるようになったのです。
優品にみる浮世絵の展開 ―師宣から北斎まで―
最初の浮世絵師ともいわれる菱川師宣の作品にはじまり、多色摺の版画である錦絵を草創した鈴木春信の「三十六歌仙 源宗于朝臣」、俗に浮世絵の黄金時代と称される天明・寛政期(1781~1801)に活躍した喜多川歌麿の「六玉川 高野の玉川」、東洲斎写楽の大首絵「松本米三郎のけはい坂の少将実はしのぶ」、今年生誕250周年で話題の葛飾北斎が描いた代表的シリーズ「冨嶽三十六景」、歌川広重の名作「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」など、本展では幅広い時代から数多くの名品が出展され、展覧会を通じて浮世絵の主要な流れが体感できるでしょう。美しい彫と摺の世界 ―稀少な摺物を多数出品―
ハンブルク美術工芸博物館が誇る浮世絵コレクションの中でも、最も注目されるのは数多くの摺物でしょう。摺物とはプライベートな目的で制作された浮世絵版画の一種です。一般の浮世絵とは違い、少数注文により豪華な用紙や高い彫・摺の技術が結集されたもので、その精緻な美しさから近年世界中で注目を受けています。本展ではフランスの文豪エドモン・ド・ゴンクールが旧蔵していたことでも知られる24図からなる摺物貼をはじめ、葛飾派を中心としたすばらしい質と量を誇る同館所蔵の摺物を多数ご紹介いたします。版本と肉筆画
コレクションに含まれる数多くの版本のうち、鈴木春信「青楼美人合」や北尾重政・勝川春章合筆からなる「美人合姿鏡」、喜多川歌麿による豪華な狂歌絵本など、厳選された名品が展観されます。また絵師の生の筆致を伝える肉筆の画軸では、北尾重政の名品「久米仙人と洗濯美人」、歌川広重の珍しい若描きの作品をはじめ、勝川春章、河鍋暁斎らによる作品をご紹介いたします。江戸の浮世絵制作を知る ―画稿、版下絵、校合摺、版木―
絵師が描いたスケッチともいえる「画稿」、版木に彫る直前に描かれた精密な下書き「版下絵」、色を摺る前に墨一色の版木を試し摺りした「校合摺」、そして版木など、本コレクションには浮世絵の制作途中で生み出される貴重な資料が数多く含まれているのも特徴のひとつです。中でも北斎「冨嶽三十六景」の6点におよぶ校合摺は他に例のない珍しいもの。江戸の浮世絵制作の世界を知るとともに、当時の職人たちの高い技術をぜひご観賞ください。入館料
リピーター割引あり(会期中2回目以降ご鑑賞の方は、半券と引換にて200円割引いたします)
一般 | 1000円 |
---|---|
大高生 | 700円 |
中学生以下 | 無料 |