『北斎と暁斎 -奇想の漫画』
特別展
2013年4月27日(土)~6月26日(水)
前期:2013年4月27日(土)~5月26日(日)
後期:2013年5月31日(金)~6月26日(水)
※前後期で展示替え
後期:2013年5月31日(金)~6月26日(水)
※前後期で展示替え
4月30日/5月7・13・20・27~30日/6月3・10・17・24日は休館となります。
北斎と暁斎-奇想の漫画展作品リスト[301KB]
二人の鬼才、夢の競演
ユーモラスな動きで踊る人々や、波や風、雨などの自然、妖怪や幽霊など、この世の森羅万象を描き出した葛飾北斎(1760~1849)の『北斎漫画』。その北斎の絵本の特色を最も色濃く継承したのが、狩野派の絵師でありながら、浮世絵の世界にも深く親しんだ河鍋暁斎です。暁斎は、『暁斎漫画』や『暁斎酔画』などの絵本で、踊る骸骨や擬人化された蛙などのユーモラスな画題のみならず、北斎に匹敵するほどのありとあらゆるテーマを手掛けています。本展では、今まで比較して語られることの少なかった、北斎と暁斎という二人の天才絵師たちの絵本に着目し、するどい観察眼に基づく超絶技巧の描写力や、現代のマンガへつながるようなユーモアとパワーに溢れた奇抜な発想力を紹介いたします。現代マンガのルーツ
北斎や暁斎が描いた「漫画」とは、さまざまなモチーフを気の向くままに描いたスケッチを意味します。絵とセリフでストーリーを読み進める現代の「マンガ」とは大きく異なりますが、線を用いて絵を描くという技術において、北斎や暁斎の漫画は、現在マンガのルーツの一つと言えるでしょう。描けぬものは何も無い。二人の絵師の素晴らしい描写テクニックをご覧ください。奇抜でユーモラスな動き
裸でコミカルなポーズをとる人や面白い表情をしている人。『北斎漫画』には思わず笑ってしまいそうなユーモラスでリズミカルな動きをした人々が数多く登場します。しかし、暁斎も負けてはいません。暁斎は多くの人が一つの画面に群がる群像表現を得意としていますが、暁斎らしさが出ていると言えば何と言っても踊る骸骨たち。骨だけの彼らの動きは何とも人間臭いものばかりです。動物 描き尽くす北斎、擬人化する暁斎
北斎と暁斎、二人の個性の違いがよく表われているのは、動物の表現でしょう。哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、さらには空想上の動物まで、あらゆる種類のものを描き尽くそうとする北斎。一方、暁斎は、カエルや象、モグラなどに、人間さながらの豊かなポーズや表情をとらせており、まるで平安時代の絵巻物「鳥獣戯画」が蘇ったようです。自然への鋭い観察眼
波や風など、目に見える形にすることが難しい自然現象を描くことに取り組んでいた北斎。その熱心な探究心は晩年の代表作「冨嶽三十六景」を生み出す大きな原動力となります。一方、暁斎には風景画の作品は少ないですが、「日光地取絵巻」に代表されるように、実際の風景を丹念に写生する観察力に優れていました。暁斎をもっと知る!首都圏各所にて暁斎の展覧会を同時開催
河鍋暁斎の作品は、本展でご紹介する漫画だけにはとどまりません。狩野派の絵師として、実にさまざまなジャンルの絵画を手掛けています。本展と同じ時期、暁斎の多岐に渡る画業を伝えるべく、三井記念美術館では「河鍋暁斎の能・狂言画」展、(4/20~6/16)、国立能楽堂資料展示室では「世も盡きじ―三井家の能・暁斎の猩々―」展(4/19~6/13)、河鍋暁斎記念美術館では「暁斎が斬る! 時事報道・世相風刺」展(5/1~6/25)が開催されます。合わせてご覧いただくことで、暁斎の魅力がより一層ご堪能できることでしょう。関連展
暁斎が斬る! 時事報道・世相風刺
5月1日(水)~6月25日(火) 河鍋暁斎記念美術館河鍋暁斎の能・狂言画
4月20日(土)~6月16日(日) 三井記念美術館世も盡きじ―三井家の能・暁斎の猩々―
4月19日(金)~6月13日(木) 国立能楽堂 資料展示室<見どころの作品>
入館料
リピーター割引あり(会期中2回目以降ご鑑賞の方は半券のご提示にて100円割引)
一般 | 1000円 |
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大高生 | 700円 |
中学生以下 | 無料 |