国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃
後期:10月1日(土)~10月30日(日)
前後期で展示替え
9月5・12・20・26・28~30日/10月3・11・17・24日は休館となります。
これぞ国芳!―血湧き肉躍る水滸伝の世界
近年、歌川国芳(1797~1861)は展覧会でも多く取り上げられ、現代人に最も人気のある浮世絵師の1人となっています。その魅力については「奇想」や「ユーモア」といった言葉で語られることが多いのですが、実は国芳の最初のヒット作は「ワイルド」で「カッコイイ」武者絵でした。その作品こそが《通俗水滸伝豪傑百八人之(つうぞくすいこでんごうけつひゃくはちにんの)一個(ひとり)(一人)》(以下《通俗水滸伝》)シリーズ。当時の日本においても知られていた中国の小説「水滸伝」を題材に、国芳が力強くもエキゾチックな異国のヒーローたちを躍動感あふれる姿で活写したものです。国芳渾身の武者絵はたちまち評判を得、その人気ぶりは彫り物(刺青)ブームを起こすほどでした。国芳はこの成功を足がかりに「武者絵の国芳」と呼ばれるほどの地位を築いていくことになったのです。
本展では国芳の出世作にして武者絵の傑作《通俗水滸伝》シリーズのほぼ全点に加え、国芳が手がけた「水滸伝」に関連する多彩な作品を展示いたします。国芳入魂のヒーローたちの勇姿をお楽しみください。
国芳の原点に迫る
敵を倒す勇猛な武将、軍師の知的な佇まい、華麗な衣装をまとった女傑の活躍―。国芳の原点とも言える《通俗水滸伝》には魅力的で個性豊かなキャラクターが次々と登場します。多彩な豪傑たちの不屈の闘志や友情、波乱の運命に江戸っ子たちは熱狂したのでした。およそ190年前に誕生した作品ですが、本作の高いエンターテインメント性は現代の漫画や映画、ゲームに通じるものがあります。本展では74図が確認される本シリーズのうち73図を一挙に展示し、その世界観をあますところなくご紹介いたします。
多彩な水滸伝が勢揃い
<見どころの一点>
「通俗水滸伝豪傑百八人之壹人 浪裡白跳(ろうりはくちょう)張(ちょう)順(じゅん)」
(個人蔵 / 後期展示)
本シリーズを代表する作品。刀を咥えた男が睨みをきかしています。ぐにゃぐにゃと曲げられた柵は水門です。男は浪裡白跳張順。水練の達人で梁山泊では水軍の頭領を務めていました。本作は物語の終盤、杭州城を攻撃する際に水門を破る張順を題材としています。憤怒の形相、筋骨隆々とした肉体、そして白い肌に浮かび上がった青い彫り物からは、その荒ぶる強さが伝わってきます。張順は水門を破った後に敵兵の集中攻撃を受けて戦死。仲間たちの元へ帰ることはできませんでした。壮絶な最期が迫った豪傑を、国芳は力みなぎる雄々しい姿でとらえました。
入館料
一般 | 1000円 |
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大高生 | 700円 |
中学生以下 | 無料 |
※会期中2回目以降鑑賞の方は半券提示で200円割引
※展覧会図録「国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃」を2.500円(税込)にて販売します。
開館日カレンダー
休館日
2016年9月SUN MON TUE WED THU FRI SAT 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 - 2016年10月
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