かわいい浮世絵 おかしな浮世絵
はじめに
江戸時代の浮世絵には、美しい遊女や格好の良い役者たち、人気の名所など、当時の人々が夢中になった、さまざまな流行や風俗が数多く描かれています。しかし、江戸時代から150年以上たった現在、当時の人と全く同じ感覚で浮世絵を楽しむのは、たとえ予備知識があったとしても、なかなか難しいことかもしれません。では、「かわいい」や「おかしい」といったキーワードで、浮世絵を見てみたらいかがでしょうか。浮世絵には、今の目からみても素直に「かわいい!」と口に出してしまうような動物や子どもたち、あるいは思わず吹き出してしまうような奇妙な生物、ドタバタ喜劇を繰り広げるユーモラスな人たちがたくさん登場します。理屈抜きで楽しいこれらの絵を見るとき、私たちは江戸時代の人たちとほぼ同じ感覚を共有できるのかも知れません。ぜひ気楽な心持ちで、たくさんの「かわいい」「おかしな」浮世絵をお楽しみください。
かわいい生き物・おかしな生き物
かわいい猫や犬、うさぎ、鳥、ユーモラスな狸や狐、思わず笑ってしまう架空の不思議な生物たちなど、浮世絵にはたくさんの「かわいい」「おかしな」生き物が登場します。猫や犬はもちろん、蛸や蛙、はたまた酸漿(ほおずき)などの植物まで、なんでも擬人化してしまうのも浮世絵師の得意とするところです。かわいい子供たち
無邪気な子供の姿は、今も昔もかわらず、人々を微笑ましい気持ちにさせてくれます。ここでは浮世絵に描かれた、おもちゃで遊んだり、お祭りを楽しんだり、時にだだをこねるかわいらしい子供たちの姿をご紹介します。
おかしな人々
浮世絵では戯画と呼ばれる、面白おかしい題材を描いたジャンルが人気を博しました。ユーモラスな人物たちが繰り広げるドタバタの喜劇や、よく知られた古典の物語のパロディなど、今の目から見てもばかばかしく、脱力しそうな作品が多くの絵師によって描かれています。かわいい!奇抜?江戸のデザイン
浮世絵に描かれた着物の模様には、しばしば動物などのかわいらしいモチーフを見つけることができます。また時には、ちょっと驚くようなおかしなモチーフが描かれていることも……。ここでは、浮世絵に見られる「かわいい」「おかしな」デザインを見てみましょう。見どころの作品
作者不詳「雷光の図説 豊年魚」
目に飛び込んでくるのは、下段に描かれた怪獣でしょう。有名な映画の某怪獣を彷彿とさせますが、どこか出来そこないのような、珍妙な雰囲気が笑いを誘います。実はこの怪獣、慶応年間に淀川に現れたと伝えられる大魚。画中の説明によると、背筋は黒く苔が生え、目は鏡のよう、形はイタチ、足は亀のようで、体長はおよそ7尺5寸(約2.3メートル)、体重は二十貫目(約75キログラム)あったということです。また、以前にもこの魚が現れたことがあり、その時は大豊年が続いたことから、今回もその吉兆に違いないとし、豊年魚と名付けられたとあります。見た目はかなり怪しいですが、実はおめでたい魚のようです。ちなみに上図は、慶応2年に生じた人魂のような物体が、実は雷光であったと図解しています。
イベント
学芸員によるスライドトーク
展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。日程 | 2019年1月10日(木)、14日(月・祝)、23日(水) |
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時間 | 14:00~(40分程度)※14日(月・祝)のみ11:00~、14:00~、15:00~の3回開催します。 |
場所 | 太田記念美術館 視聴覚室(B1) |
参加方法 | 申込不要 参加無料(要入場券) |
入館料
一般 | 700円 |
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大高生 | 500円 |
中学生以下 | 無料 |
開館日カレンダー
休館日
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2019年1月
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