異世界への誘い ―妖怪・霊界・異国
浮世絵では、人気の歌舞伎役者や花魁であったり、あるいは、人でにぎわう江戸の町の風景であったり、実際にこの世の中に存在するものを題材とすることがもっぱらです。しかしながら、時には、現実の世界とは全く異なる「異世界」の様子も描かれました。本展では、妖怪、霊界、異国という3つのキーワードを通して、皆さまを浮世絵の中に描かれた「異世界」へとご案内します。
妖怪 ―異形の存在との出会い
浮世絵には、人間を驚かせたり、襲いかかったりしようとする妖怪たちが描かれています。その姿は時にはおどろおどろしく、時にはユーモラスであり、人間たちはその異形の存在に毅然とした態度で立ち向かいました。人間たちとは異なる世界の住人である妖怪たちをご紹介します。
霊界 ―黄泉の国から蘇った幽霊
この世に未練を残したまま亡くなった人間が、幽霊や怨霊となって現世に再び現れることもあれば、亡くなった人間が地獄で暴れて、閻魔大王や鬼たちをこらしめるということもあります。浮世絵に描かれた怨霊や死後の世界、あるいは、故人を追善供養する死絵をご紹介します。
異国 ―伝聞や想像に基づく外国の風景
海外との直接的な交流が乏しかった江戸時代の人々にとって、訪れたことのない外国というのは、まさしく「異世界」でありました。伝聞や文献などに基づいて描かれた、中国や沖縄、欧米の風景、あるいは、蒸気船や鉄道、気球などといった新しい文明を描いた浮世絵をご紹介します。
見どころの作品
歌川国芳「東海道五十三対 桑名 船のり徳蔵の伝」
桑名屋徳蔵という船乗りは、大晦日には船を出さないという決まりになっていたにも関わらず、船を出したところ、沖で巨大な海坊主に遭遇してしまいます。海坊主は自分のことが怖くはないのかと徳蔵に尋ねますが、徳蔵は世の中で生きていくことの方がよほど怖いと答えます。すると海坊主は恐れをなして消え失せてしまいました。黒い影に目だけがぼんやりと浮かんでいるという、異世界の住人らしい海坊主の不気味な姿が印象的な作品です。
イベント
学芸員によるスライドトーク
展覧会の見どころを担当学芸員(日野原健司)が解説します。
日時 |
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会場 | 太田記念美術館 視聴覚室(B1) |
参加方法 | 申込不要 参加無料(要入場券) |
入館料
一般 | 700円 |
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大高生 | 500円 |
中学生以下 | 無料 |
- *中学生以上の学生は学生証をご提示下さい。
- *団体(10名以上)は1名さまあたり100円引き。 (一括にてお支払い願います。事前のお申し込みにご協力ください。)
- *障害者手帳提示でご本人とお付き添い1名さま100円引き。
- *その他各種割引についてはお問い合わせください。
- *料金は消費税込み。
開館日カレンダー
休館日
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2019年8月
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