美術館概要

太田記念美術館について

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五代 太田清藏

太田記念美術館は、かつて東邦生命保険相互会社の社長を務めていた五代太田清藏(1893~1977)が蒐集した浮世絵コレクションを、広く大勢の方々に公開するために設立された美術館です。 福岡県福岡市に生まれた五代太田清藏は、美術や文学への造詣が深く、大学生の頃から浮世絵に関心を持ち始めていました。

そして、20代後半に欧米諸国を外遊した際、浮世絵が欧米の美術館で高く評価され、欧米の絵画に深い影響を与えていることを実感したことをきっかけに、浮世絵の蒐集にさらなる情熱をもって臨むこととなりました。さらに、藤懸静也氏や楢崎宗重氏といった浮世絵研究の大家たちとも親交を結び、審美眼を磨いていきます。その後、太平洋戦争によるコレクションの一部焼失などがありましたが、浮世絵への愛情は決して衰えることなく、亡くなる時まで、こつこつと己の好む作品を集め続けていきました。

五代太田清藏のコレクションは生前ほとんど公開されることはありませんでしたが、昭和52年(1977)、83歳で没した後、遺族たちが広く我が国の美術振興の一助とすることを決意し、美術館を開館します。 昭和52年(1977)11月、銀座の東邦生命旧本社ビルの7階で約2年間の活動を続けた後、昭和55年(1980)1月13日、現在と同じ、東京都渋谷区神宮前1丁目において、美術館を正式にオープンいたしました。 太田記念美術館のコレクションの中核となるのは、五代太田清蔵が心血を注いで蒐集した約12,000点という膨大な浮世絵です。浮世絵の始まりから終焉まで、その歴史を網羅的に辿れるような、広い範囲を収めた内容となっています。

しかも、浮世絵の両輪となる肉筆画と版画、このいずれにおいても素晴らしい作品を数多く所有しているというのは、個人の浮世絵コレクションとしては世界有数と言えるでしょう。 太田記念美術館は、都心でも数少ない浮世絵専門の美術館として、国内の愛好者のみならず、日本文化に興味を持つ海外の人々にも数多く足を運んでいただいております。展覧会は、月ごとにさまざまなテーマを設け、それに沿った浮世絵作品を展示するという形式のもので、いつ会場を訪れても、そのたびに浮世絵の異なる魅力を観賞できるのが大きな特徴です。さらに、講演会の開催や新進の研究者を育成するための研究助成金の交付など、さまざまな活動にも取り組んでいます。

公益財団法人 太田記念美術館について

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