コレクション1

宮川長春 美人立姿図

絹本著色一幅 82.8×31.0㎝ 宝永~正徳(1704~16)頃

 立姿の遊女とおぼしき女性を描く。人物表現には懐月堂派の影響も垣間見られ、豊かな量感を示す。女性は髪を根下がり兵庫に髷を結い、左手で前褄をとり、帯を前に結ぶ。小袖は地を唐草文様とし、円窓形の中に菊を配し、襦袢には桜花の紋を散りばめる。足には草履を履き、裾からのぞく指先には鼻緒がわずかに見える。宮川長春が率いた宮川派は肉筆の美人画を専門とし、懐月堂派のあとを受けて隆盛を誇った。宮川派の系統には後に勝川派を起こす勝川春章がいる。

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