ジャパニーズ・ビューティ-浮世絵にみる日本女性の美-
4月6・13・20日は休館となります。
※本展覧会の図録は作成いたしません。
1.時代によって美の基準はかわる -江戸の美と流行-
テレビなどで一昔前のドラマや映画を目にしたとき、そこに映る女優さんのメイクや髪型、服装に時代の隔たりを強く感じることがあります。現代では、流行が常に生み出され、それまでのファッションはすぐに時代遅れとなります。現代ほどめまぐるしくはないにせよ、事情は江戸時代も一緒。浮世絵では、当時の最新の流行が常に描かれましたが、そこに描かれた女性たちは、時代によって驚くような外見の変化を見せるのです。
少女のように可憐な女性表現 ~鈴木春信~
明和年間(1764~1772)を中心に作品を描いた鈴木春信は、錦絵という多色摺りの技法の草創に関わった絵師として広く知られています。春信は、錦絵による美しい色彩もさることながら、まるで少女のようなかわいらしい女性を描き、大変な人気を得ました。
すらりとした八頭身美人 ~鳥居清長~
安永から天明年間(1772~1789)を中心に数多くの美人画を手がけた鳥居清長。春信の時代からそれほど年代を経ていないにも関わらず、清長は春信とはまったく異なる、八頭身のスレンダーな女性を好んで描き、大好評を得ました。江戸の流行がとても移ろいやすいものであったことがうかがえます。
退廃的で艶やかな美人 ~溪斎英泉~
図は文政から天保年間(1818~1844)を中心として活動した絵師、溪斎英泉の美人画。よく見ると、女性の下唇は緑がかった色で描かれています。これは笹色紅といい、唇を青光りさせる当時流行の化粧法です。現代の感覚でみると少し理解しがたいメイクですが、当時の遊女たちの退廃的な艶やかさをよく伝えています。
2.初期浮世絵から大正新版画まで -200年以上におよぶ、美の変遷を紹介-
本展で扱うのは、初期浮世絵の時代から、大正時代の新版画運動にいたるまで、200年以上という長い期間。展示を通じて、日本人の女性に対する美的感覚がどのように移り変わったのか、感じ取っていただければ幸いです。現代の美の基準に照らし合わせて、どの時代の作品が一番美しい女性像か、考えてみるのも興味深いかもしれません。イベント
4月の土曜講座・日曜映写会は開催予定です。入館料
一般 | 700円 |
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大高生 | 500円 |
小中生 | 200円 |