浮世絵戦国絵巻 ~城と武将
後期(天下統一~戦国時代の終焉):2011年11月1日(火)~11月27日(日)
※前後期で展示替え
10月3・11・17・24・27~31/11月7・14・21日は休館となります。
主催 : 太田記念美術館 ・ (財)日本城郭協会
浮世絵戦国絵巻 ~城と武将展作品リスト [612KB]
はじめに
天下統一をかけて争った戦国の武将たち。その波乱の人生は多くの人々を魅了し続けています。また彼らが各地に築いた城の数々は、幾多の攻防の舞台となり、戦国の名残を今に伝えます。近年、ドラマや映画、小説、あるいはコミックなどの影響で、若い世代の女性も含め、戦国武将や各地の名城への人気が高まっています。江戸や明治の人たちにとっても、幾多の英雄が活躍した戦国時代への憧れは強かったと見え、戦国武将の肖像や合戦、各地の名城を描いた浮世絵が数多く残されています。本展は、浮世絵に描かれた名城や戦国の武将たちに焦点を当てる展覧会です。1.浮世絵でみる天下統一への道
数多くの戦国大名が生き残りをかけて戦った戦国時代。浮世絵師たちは戦国大名の肖像や、合戦の様子を豊かな想像力で描きました。本展では展覧会を前後期に分け、浮世絵を見ながら戦国時代の流れを追う構成となっています。前期は武田信玄や上杉謙信らが活躍した群雄割拠の時代から、織田信長が本能寺の変で謀反によって倒れるまでを、後期は豊臣秀吉による天下統一から、大坂夏の陣で豊臣家が滅ぶまでをご紹介します。浮世絵師たちの描いた色鮮やかな戦国絵巻をお楽しみください。
2.城をめぐる死闘 -大迫力の攻城戦
秀吉による備中高松城攻めや、本能寺の変後の明智軍による二条城攻撃など、浮世絵師たちは城攻めをテーマとした作品を数多く手がけました。興味深いのは天守の表現です。戦国時代以前の城郭には天守は発達していませんでしたが、浮世絵師たちは江戸時代の城郭のイメージで立派な天守を描いています。ここでは武将たちの攻防の舞台となった、戦国時代を中心とする城攻めを描いた浮世絵を紹介します。3.北斎・広重 -風景がに描かれた名城の数々
北斎や広重などが描いた全国各地の名所絵には、しばしば城郭が描かれています。その中には現在でも天守が現存、あるいは復元されているものもあれば、石垣のみが残るものなど様々です。江戸城、小田原城、犬山城、姫路城など、江戸時代の風景に描かれた、往時の名城の姿をご紹介します。4.禁じられた戦国武将 -幕府の禁令と浮世絵師
豊臣秀吉の生涯を描いた読本『絵本太閤記』は寛政9年(1797)に出版されて大好評を博しますが、文化元年(1804)に発禁となります。太閤記関連の図を描いた歌麿などの浮世絵師は処罰を受け、天正期以来の武将などを題材とすることは禁じられてしまいます。幕末になると歌川国芳を中心とし、再び戦国時代を描いた浮世絵が数多く描かれるようになりますが、武将の名前を実名と変えるなど、規制を受けないよう工夫がなされていたのです。
<見どころの一点>
歌川貞秀「真柴久吉公播刕姫路城郭築之図」(3枚続)(日本城郭協会提供)(前期展示予定 10/1~10/26)
姫路城の築城自体は南北朝時代にさかのぼりますが、天正8年(1580)に羽柴秀吉が居城とし、大規模な改修が行われたことで天守のある近世城郭へと生まれ変わりました。面白いのは、本図に描かれた天守が五層に描かれていることです。実際には、秀吉が建てた天守は三層であったと言われており、浮世絵師が江戸時代の天守のイメージで本図を描いていることが分かるのです。
入館料
リピーター割引あり (会期中2回目以降にご鑑賞の方は、半券と引換にて100円割引)
一般 | 1000円 |
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大高生 | 700円 |
中学生以下 | 無料 |