新春浮世絵展
はじめに
新しい一年を迎えるお正月。江戸時代の人々もまた、現代の私たちに負けず劣らず新年の訪れを楽しんでいました。元旦、海から昇る初日の出を拝みに人々は出かけました。また様々な芸人たちが新年を祝い、子供たちは羽根つきや凧あげなどに興じました。他にも初詣や初買い、神社仏閣でも新春ならではの行事が催されます。江戸っ子たちも新しい一年が幸多いものになることを願い、また非日常感がただようお正月気分を満喫したのでした。本展では押し迫る年の瀬から、新年を迎えおめでたい空気に包まれた江戸の町の様子などを、浮世絵を通して紹介いたします。作品を観賞しながら、江戸っ子とともに新春の風景をお楽しみ下さい。
元旦 一年の始まり
年の瀬、新年を迎えるために人々は歳の市で正月の飾り物や食料品を買い揃えます。賑やかな大晦日から一転、元旦は商家をはじめ多くの家々が戸を閉じて静かに過ごしました。そんな元旦の楽しみの一つは初日の出。浮世絵には見物に繰り出す人々の姿が数多く描き出されています。一方、諸大名たちにとっては、正月に江戸城に登城することが重大な年中行事でした。それぞれの元旦の様子をのぞいてみましょう。新年の芸能・遊び・行事
新しい一年が幸多きものとなるように。そのような願いを込めて、江戸時代には万歳・春駒・鳥飼・太神楽などの芸能民が江戸市中をまわりました。新年の遊びとして子供たちに人気だったのが凧揚げや羽根つき。遊びに夢中になった子供たちが往来の邪魔をしても、この日ばかりはお咎めなしだったそうです。また、正月の縁日も江戸っ子にとっては楽しみのひとつでした。新春の風習や行事を人々がいかに楽しんでいたのかを、浮世絵はいきいきと伝えています。<見どころの一点>
歌川国芳・歌川国貞・溪斎英泉「宝船」
入館料
一般 | 700円 |
---|---|
大高生 | 500円 |
中学生以下 | 無料 |
イベント
学芸員によるスライドトーク
本展の担当学芸員が見どころをご案内します。
日程 | 1月6日(日)・13日(日)・18日(金) |
---|---|
時間 | 14:00~(40分程度) |
場所 | 太田記念美術館 視聴覚室(B1) |
参加方法 | 申込不要 参加無料(要入場券) |