『葛飾応為「吉原格子先之図」 -光と影の美』

企画展
2014年2月1日(土)~2月26日(水)

2月3・10・17・24日は休館となります。

※本展覧会の図録は作成いたしません。

父は北斎 知られざる異才の女絵師

葛飾応為という浮世絵師の名を知っている人はどれほどいるでしょうか。応為は天才絵師・北斎の娘であり、自らも絵師として活躍した女性。代表作「吉原格子先之図」は、交錯する光と影で吉原の夜の情景を表現したものです。暗闇のなかに浮かびあがる遊女と遊客たちの姿は、どこか幻想的ですらあります。応為は、美人画においては北斎を超える力量であったと評価されることもあったようで、北斎晩年の作品制作を補佐していたと伝えられています。しかし残念なことに応為の手による作品は世界に数点しか確認されていません。また一度嫁いだものの、気の強さが災いし離縁。その後は北斎の元で過ごしたようですが生没年はいまだにわかっていません。本図のように異彩を放つ作品を世に送り出した応為。しかし作品数の少なさや謎に満ちた生涯も原因し、その名はいまだ一部の美術ファンに知られるにとどまっています。本展では、応為の貴重な代表作「吉原格子先之図」を中心に、様々な絵師が光と影をたくみに表現した浮世絵作品をご紹介します。

※ 応為の作品は「吉原格子先之図」 『女重宝記』のみの展示です。

葛飾応為「吉原格子先之図」

葛飾応為「吉原格子先之図」

日本絵画ではモチーフの影を表現することは多くありません。しかし浮世絵のなかには西洋版画の学習をふまえた、たくみな陰影表現を用いる作品も見られます。本展では応為のほか、歌川国貞や歌川国芳、歌川広重、小林清親など、一流浮世絵師たちが手がけた作品をご紹介します。光と影とを表現する、絵師たちの繊細な感受性に触れてみてください。
小林清親「両国花火之図」

小林清親「両国花火之図」

歌川国貞「月の陰忍逢ふ夜 月みる美人」

 歌川国貞「月の陰忍逢ふ夜 月みる美人」

歌川広重「名所江戸百景 猿わか町よるの景」

歌川広重「名所江戸百景 猿わか町よるの景」

歌川国芳「東都名所 新吉原」

歌川国芳「東都名所 新吉原」

入館料
一般700円
大高生500円
中学生以下無料
イベント
学芸員によるスライドトーク
※ 2月分のスライドトークは全日程終了いたしました。
開館日カレンダー
写真サンプル

PAGE TOP