浮世絵の戦争画 -国芳・芳年・清親
戦後70年。浮世絵は戦争をどのように描いていたか。
浮世絵と言えば、泰平の世を描いた享楽的な絵という印象を持っている方も多いかも知れません。しかしながら、江戸から明治にかけて、「戦争」を題材とした浮世絵が連綿と描かれ続けていました。太平洋戦争が終結してから70年の節目にあたる今年、これまで全く注目を浴びることのなかった浮世絵の戦争画について紹介します。浮世絵でたどる戦争の歴史
浮世絵には、源平時代や戦国時代といった歴史上の合戦を題材としたものから、幕末の戊辰戦争、明治時代の西南、日清、日露戦争など、同時代に勃発した戦争を題材としたものまであります。これらの戦争がどのような目的で描かれ、また、どのような形で表現されているかについて検証します。国芳、芳年、清親。有名絵師たちの知られざる作品を紹介。
歌川国芳、月岡芳年、小林清親といった浮世絵師たちは、戦争を題材とした作品をいくつか描いていますが、これまで戦争画そのものに注目が集まることがなかったため、ほとんど紹介される機会がありませんでした。有名浮世絵師たちの知られざる一面を紹介します。<見どころの一点>
月岡芳年「魁題百撰相 駒木根八兵衛」
銃口をこちらに向ける男性の視線は緊張感にあふれています。駒木根八兵衛は、寛永14年(1637)、島原の乱に参加した砲術の名人。歴史上の人物なのですが、その姿は、慶応4年(1868)の上野戦争に参加した彰義隊の若者を髣髴とさせる格好で描かれています。当世の出来事を絵画化することが規制されていた江戸時代、歴史上の人物に仮託することによって、現在起きている事件を伝えようとしたのです。
入館料
一般 | 700円 |
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大高生 | 500円 |
中学生以下 | 無料 |
イベント
学芸員によるスライドトーク
本展の担当学芸員が見どころをご案内します。
日程 | 7月3日(金)・9日(木)・18日(土) |
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時間 | 14:00~(40分程度) |
場所 | 太田記念美術館 視聴覚室(B1) |
参加方法 | 申込不要 参加無料(要入場券) |